最新の情報をまとめた資料

公民館講座などで、光害・星空保護区などの資料をPRしていますが情報が増えることによってアップデートされます。
最新の資料をこちらにUPします。
公民館講座の資料などをそのままUPする形になるので、解説文もプレゼン用の内容になっています。
ご容赦ください。

2025年2月3日現在で、最新情報を追加しました。
資料の連続性がちょっと損なわれているかもしれませんが、情報は全部入っていると思います。

2025年2月3日現在最新資料

まず、弟子屈の星空について、説明します。
基本的なところから、説明させてください。
公民館講座のテキストをベースにしています。
弟子屈は星が本当にきれいなので、楽しまなくてはもったいないし、また、この星空を守り、いつまでも楽しめるようにしなくてはもったいないということで、講座を公民館に打診したところ、快諾をいただいて、昨年からこれまでに10回を開催しています。
星がきれいということは、どういうことか、説明します。
一つ一つの星がきれい・・・ということではなく、星がたくさん見えるということであり、暗い星まで見えるということです。
星の見え方は、その時の光の環境によって、大きく左右されます。
昼間は太陽が明るいので、星は見えません。夜になっても、月があると空が明るくなって、明るい星しか見えません。同じように、月がないときでも、街の明かりが空を照らしてしまっていると、暗い星は見えなくなります。街の明かりが空を照らしていなければ、暗い星までよく見え、「星がきれい」ということになります。
星がたくさんというのはどれくらいの数か、というのが、右の表です。
暗い星が見えるほど、加速度的にたくさんの星が見えるようになるのが、わかっていただけると思います。
「光が空を照らす」というのは、なかなかイメージがわきにくいと思います。
左下の写真は、星空の解説をするのに、懐中電灯で星を指し示しているところです。
空気は、無色透明で、そこにあることを感じませんが、光を当てると、このように光ってしまいます。
この光がどんどん大きくなると、星が見にくくなるのです。

この画像は、人工衛星から撮った夜の北海道の画像です。
光って見えるのは街明かりなのですが、街明かりが上空の人工衛星まで届いているということです。
弟子屈は、大きな市街地から離れていて、この街明かりの影響を受けにくく、夜空が暗いので、星がきれいに見える条件を持っているということができます。
2016年のナショナルジオグラフィックのデータでは、日本人の70%が天の川が見えないところに住んでいるということです。
もう8年たっているので、この間爆発的にLEDが普及しています。後述します。
今は、80%以上の人の住んでいるところから、天の川が見えないと予想できます。
弟子屈は、天の川がよく見える街です。
私たちは、日本人の中の、ほんの一握りの恵まれた環境に住んでいることを忘れないようにしたいものです。

星がきれいであることを、客観的に評価することができます。

前述のように、「いろいろな光で夜空が照らされていない」ということが、星がきれいに見える条件です。
言い換えると、どれだけ夜空が暗いか?という言い方になります。
以前は、たとえばオリオン座のどの星まで見える? のような形で、アナログに評価されていましたが、視力にも寄りますので、なかなか客観的とはいえない状況でした。

現在は、デジカメを利用して客観的に測定する方法が確立してきています。

夜空を決められた条件で撮影し、明るさのわかっている星と、星のないところとの比較で、背景が何等星かという数字を出すことができます。
測定値は、オレンジ色で囲ったメモリのところの数字です。1等星、2等星と、だんだん暗くなりますので、背景の暗いところが20等星とか21等星という意味です。
数値が大きいほど、背景が暗く、星がきれいに見える環境です。
大都市では、17よりちょっと下の数字になるそうです。

天の川のスケールを見ると、
20を超えると天の川が見える。
21を超えると、細かい構造まで見える。
というイメージです。

見える星の暗さのスケールと、星の数のスケールもついています。
空が暗くなるにつれて、6等星~7等星まで見えるような状況になり、その時、見えるはずの星の数は、2000個から5000個以上に増えてくることになります。


このスケールでいうと、弟子屈の空はどんなレベルでしょうか?
ぽらりすでは、環境省の 「デジタルカメラによる夜空の明るさ調査」 に、毎年参加しています。

きっかけは、2019年の「星空の街・あおぞらの街」全国大会です。
環境省の方が来て、測定方法の講習をしてくださいました。
表は今年と去年の夏のデータです。

その結果、弟子屈町は、道内の天文台所在地や、本州の星空観光地、国内の星空保護区と比べても遜色ない星空を持っていることがわかっています。

しかし、毎年2回の環境省のデジカメ星空観察に提出しているデータを時系列でグラフにすると、年々悪くなっています。
5年前は、もっと素晴らしい星空が見えていたということです。


これらのデータから、弟子屈は星空がきれいだ。ということがわかりますが、
同時に、いつまでもその状態を保ち、活用するためには、何かアクションが必要ということもわかると思います。
もっと言えば、弟子屈の星空を5年前のように戻すためには、アクションが必要だということです。


それは、なぜだろうか? ということを、次にお話しします。

先ほどお話ししたように、大気を様々な光が照らすことによって、(空気=)空が明るくなって、星が見えにくくなる。ので、影響しているのは、大気と光ということになります。
実は、この二つは、近年大きく変化していることでもあります。大気は、温暖化にかかわって、変化している可能性があります。また、LEDの普及が光に関する状況を大きく変化させています。それぞれについて、ちょっと調べてみました。

大気の成分のほとんどは、この5つの成分です。温暖化の原因になっているCO2は増えていますが、その他のガスとともに、光学的な影響はほとんどありません。水蒸気に関しては、気温の上昇とともに、大気中の水蒸気は増える可能性を持っています。ただ、光への影響については、湿度が低い場合には、少ないということです。湿度が高くなると、結露しやすく、結露すると光をさえぎる粒になるので、星の見え方に影響を与えます。
この数年で、温暖化とともに湿度が高くて大変だ・・・ということにはなっていませんので、大気の変化についての影響はあまり大きくないということがわかりました。

LEDについても、調べてみました。
まずは消費電力が少なくなったことは、みなさんご存知だと思います同じ明るさであれば、1/8の消費電力だそうです。こうなると、2倍の明るさのものをつけても、1/4で省エネだよね。ということになり、どんどん明るいものを付けるようになります。また、LEDの青白い光は、空気を照らす能力としては、電球色のオレンジの光よりも高いので、同じ明るさでも空に対する影響は大きくなります。さらに、LED照明は形状の自由度が高くなりますので、電気料金のことも合わせて、今までつけていなかったところにも、つけようということになります。


LEDの普及による光の使い方の影響が大きそうだということが、わかってきたわけですが、先ほどの夜空の明るさ調査の結果からも、そのことが見えてきています。
これまでは、ぽらりすの場所だけでの測定だったのですが、2024年の夏の測定から、てしかが星空愛好会のメンバーの協力で、摩周湖・硫黄山・藻琴山展望駐車公園のデータを新たにとっています。

摩周湖とぽらりすについては、6年前のデータがあります。
それと比べると、かなり落ちていることがわかります。

硫黄山と藻琴山展望駐車公園については、過去のデータはありませんが、「22」という数字は、測定上の限界に近い値なので、同じくらいの22程度であったと予想でき、そこからの落ち方が、ぽらりすや摩周湖よりも小さいということができます。

大気が原因であれば、それほど違いが出ることが説明できませんが、LEDの普及による光の使い方の変化が原因であれば、弟子屈市街地に近いほど悪くなっている現状とマッチします。
簡グラフを書いてみましたが、距離との相関が明確に出ています。

まずは、この状況をできるだけ多くの方に知っていただきたいと思います。

あらためて、各地の測定データを並べてみました。
発表されたすべてのデータ(507件)をまとめたところ、硫黄山で測定したデータが全国で一番良い結果であることがわかりました。
これまではトップになったことがなかったので、どうして一番になり得たかということを、調べてみました。
今回の考察の対象は、弟子屈町内のデータ、道内トップレベルの陸別天文台のデータ、星空保護区としてこれまで国内トップであった、西表石垣国立公園の竹富島・東京都の神津島です。

過去のデータを拾ってみました。

これは、対象とした地点の過去3年間のデータです。
一部は、2018年のデータもあります。
すべての地域で、明るくなる傾向にあります。
あとで、詳しく考察しますが、世の中では一般的に、「LEDの普及による照明の使われ方の変化」が夜空を明るくしている」と考えられています。
西表石垣や神津島のような島については、まわりが海なので大丈夫かと考えていましたが、例外ではないことがわかりました。

町内のデータで、距離との相関が出ていたので、各地の光害発生地からの距離を確認してみました。

西表石垣国立公園の波照間島は、石垣市から50km離れていますが、石垣市の人口が5万人と多いことと、間が海で、遮るものがないことから影響をうけていると考えられます。
神津島は、新島の人口は2500人と少ないですが、20kmしかないのと、これまた遮るものがなく、影響が大きい可能性があります。
陸別天文台は、人口11万人の北見市から近いことが影響していると思われます。

対する弟子屈町は、釧路53km、北見57kmと、比較的距離が離れていることと、間に山があって、直接の影響をうけにくいことが、今回の全国トップのデータにつながったと考えられます。

日本中の星空が、劣化しています。大ピンチです。
もっともっと光害対策を普及させないと、星が見えない国になってしまいそうです(泣)

光が増えることによる、悪影響について、お話をします。

左上は、ぽらりすから市街地の方を見たときの写真ですが、街の明かりが空に映って、その周辺の星は見えません。 これが大きくなると、頭の上の方まで明るくなって、見える星の数がどんどん減ってきます。

明かりは、安全を確保するために道路などを照らしたり、お店がわかるように看板を照らしたりしています。残念ながら、光をコントロールするのは、簡単ではないので、光が余ってもれてしまっている状況だと思います。 言い換えれば、「無駄な光」がたくさんあるわけです。

星が見えなくなる以外にも、以下のような悪影響があります。

例えば、南の島ではウミガメが孵化した後、月の光を頼りに海に向かうのですが、照明を月明かりと誤認して、反対の方向に行ってしまう事例が発生しています。 また、渡り鳥も、街の明かりで方向感覚を失ってしまいます。 夜間も光に当たっている稲は、発育が悪くなるという結果が出ているそうです。 特に夜行性の動物や鳥には影響が大きいようです。 また、天文台の観測に支障をきたしているというのも現実にありますし、さらには人体の体内時計を狂わせて悪影響がある、という研究結果も出ています。

LEDの普及がこれを後押ししている状況です。
以前は、省エネのためCO2削減のために消灯しようというのが普通の考え方でした。
LEDで消費電力が減ったことで、光を増やすことに対する抵抗感がなくなっています。
現状、世界中で光害が毎年10%ずつ増えているという調査結果も出ています。

きれいな弟子屈の星空も、すでに見えにくくなっています。
照明を使っている限りは、光害はゼロではありません。 必ず何らかの影響が出ています。
光を使うことに関して、意識改革が必要な状況になっています。

てしかが町が毎年発行している、「サステナビリティレポート」の中では、光害についての記述がない。
認識を改める必要がある。


ここまでのまとめです。

弟子屈の星空は、誇れるほどきれいである。

が、劣化しつつある。

が、対策は可能で、手の内にある。


光害について、世の中では認識され、環境省から対策のガイドラインが発行されているが、弟子屈町としては、認識が遅れている




突然、観光の話に変わりますが、弟子屈町とは切っても切れない関係の話です。

日本の中で、北海道は、行きたい観光地ナンバーワンをずいぶん長いこと保持しています。
その中で実際に、この町弟子屈に来てくれている人は、年々減っているのが現実です。

日本人の人口も減っていることもあり、ある程度減っているのは、現状仕方ないかとも思いますが、注目しなければいけないのは、「摩周湖」の減り方が大きいことだと思います。
これをどう解釈すればよいのか?いろいろあると思いますが・・・

私は、その理由の一つに、この地域の知名度の低下があると思います。
「霧の摩周湖」という歌があるのをご存知の方も多いと思います。
1966年の布施明さんのヒット曲です。1964年が、昔の東京オリンピックです。このタイミングで、カラーテレビが一気に普及した時期です。
いまほどいろいろ娯楽があったわけではないので、家に帰ってテレビを見るのが楽しみだった時代です。
その時のヒット曲ですから、日本中の人が知っていた。知名度100%だったわけです。
となれば、北海道に行くなら、摩周湖に行こうということになります。
が、そこからすでに60年近く。リアルタイムで霧の摩周湖を知っている世代は、65歳以上の方たちです。

知名度が下がれば、来る人が少なくなる。
これは当たり前のことです。

弟子屈町の観光は摩周湖がけん引しているようなイメージがあります。
摩周湖の知名度を利用するがために、駅名を「摩周」に替え、いろいろなところで、摩周という言葉を使っていますが、その知名度が下がっています。



知名度を上げ、行ってみたいと思ってもらえるようにするには、どうすればよいか?

宣伝をたくさんすれば、それなりに知名度は上がるが、行ってみたいと思ってもらえるインパクトを与えることは容易ではない。



例えば、世界遺産に登録できれば、集客に貢献することは間違いないが、ハードルは高い。

先ほどお話ししたように、星空のクオリティが高いので、星空保護区に登録することで、知名度を上げることは、できると考えられる。

観光についてのまとめです。


霧の摩周湖が過去のものになっている現在、新たな観光の柱を構築することは、弟子屈町の将来に対して、重要なポイントとなると考える。



星空保護区について、次に説明します。


どうすれば、知名度を上げられるのか!!

いくら星空がきれいだと自分たちがPRしても、それは、通常のPRの域を出ません。

星空保護区への登録によって、大きな看板を上げることで、PR効果を絶大なものにすることができます。

星空の世界遺産ともいわれる、「星空保護区🄬」 英語では、ダークスカイプレイスです。

保護区というと、国がルールを決めて保護する。というイメージがわくと思いますが、星空保護区はそういうものではありません。
世界遺産にルールが似ていると思います。
自治体などが、保護する取り組みをしっかりして、これなら大丈夫でしょ?と申請すると、条件を満たしていれば登録してもらえる。というものです。

いくつかやらなければいけないことがありますが、それを上回るメリットがあると考えています。


メリットはこのようなことが言われています。

それに対して必要なことは、

街灯の交換が必要である。ということが一番重い部分だと思います。
費用も掛かります。
街灯の管理をしているのは町なので、官民の協力がなければ、実現しません。 (更新時期に変更すれば、費用はそれほどでもないかもしれません。)

次のページに、その他の必要なことを書いています。

空を暗く、という話をすると、真っ暗にしたら危ないだろう・・・という誤解をされる方が多いですが、決してそういう話ではありません。

ぽらりすの玄関灯を変更した前後の写真をご紹介します。
足元の明るさは、変わらないかむしろ明るくなっていますが、軒下を照らす上向きの光が少なくなっていることがわかると思います。
いろいろ対策の写真などは見ていましたが、思った以上に効果が大きく、びっくりしました。

各家庭でいえば、外部の照明を工夫しましょう、カーテンを閉めましょうとか、いくらかできることがありますが、なかなか微々たるものかもしれません。
大きな位置を占めるのが、夜になると自動的に点灯する照明、街の街灯です。

これを光害の出にくいものに替えましょうということです。
これには当然お金がかかるので、行政がその気にならないとできません。

しかし、自然豊かな弟子屈町が、この先も豊かな自然を守ってゆくうえで、摩周湖、屈斜路湖や釧路川を守るのと同じくらい、光害の少ない環境「本当の夜」を守ることは、ここに住む野生生物にとっても重要だと考えます。

繰り返しますが、必要な光を消して真っ暗にするということではありません。

ここに書いてある5つの原則を守ることで、光害を減らすことができます。
この写真のように、意志を持って「照らすべきところだけを照らす」ということが、とても重要です。



もう少し細かく町全体の光の使い方について説明します。

・ 星空を守るために、光が漏れない照明にするのは町域全体で実施するのに対して、
・ 星を見るためのエリアは、さらにちょっと工夫したほうがいいよ。
ということです。

光害対策照明にしたとしても、その真下では星は見えません。
それでも、ちょっと脇に外れれば見えるわけですが、
星を見るためのエリアは、さらに工夫する必要があるので、そこを明記しました。

照明は、腰より低いくらいの位置に設置して、足元のみを照らして安全を確保する。
見上げた時に、明るいものが目に入ると目がくらんでしまうので、そうならない位置に照明をつけるということです。


右下の写真は、ぐんま天文台に駐車場から登る道の照明です。
弟子屈、川湯の市街地にも、こういったエリアを設ければ、ほとんどの町民が徒歩3分以内で星見ができるようになるのではないかと思います。

同じようなエリア分けの議論の中で、「摩周湖で星が見られればいいよね。」というのがあります。

摩周湖だけ対策すればよいということで、市街地の対策をしなければ、その「光のドーム」は摩周湖を覆い、摩周湖でも星が見られなくなります。
右の写真は、町内にお住いの篠原さんの写真ですが、市街地の光が、摩周湖展望台に届いていることがよくわかります。

摩周湖の星空を守るためにも、市街地での対策は必須なのです。

実際に、すでに星空保護区になっている、石垣島では指定地域外の光が増えて、夜空が明るくなってきているそうで、環境省のデジカメ星空診断のデータにも表れています。



最近、いろいろな方にお話をする機会があるのですが、その中で、下向きの照明ということが、なかなかちゃんと伝わらないような気がしています。
上向き、下向きという大雑把な表現だと、一番左と真ん中との比較が皆さんの頭の中に浮かびます。
すると、「すでに下向きである」という認識を持ってしまう方がとても多いのです。
たいして星空がきれいではない地域では、それでよいのかもしれませんが、弟子屈町は、もともとのレベルが高いので、わずかな上方光束が悪い影響を与えてしまいます。
上に向かう光がゼロになる照明を用いることで、かつての星空を取り戻せる可能性があります。

星空保護区に認定された地域で、どのような効果があったのか、いくつか先進事例をご紹介します。

西表石垣国陸公園の石垣島の例です。

星空ツアーの参加者が6倍になり、
星空ツアーを実施する業者が10倍になったそうです。

#就業人口を増やせることは大きなメリットだと思います

3万人のツアー参加者で、1億円以上を売り上げている計算です。

岡山県の美星町の例です。
大手旅行会社からの引き合いが増え、
天文台ツアーの参加者が10倍になったそうです。
星降るレストランというJALとのタイアップ企画も人気だそうです。
星降るレストランは、昨年から弟子屈町でも実施していますが、訴求効果という観点ではいまひとつ実績が上がらず、「星空保護区」というブランドの強さが必要とも感じています。
神津島は、節電効果の例です
街灯にかかる電気料金が、半分になったということです。
ゼロカーボンを目指す弟子屈にも大きな効果といえます。

海外の事例も紹介します。

スコットランドでは、星空保護区認定により、
宿泊客が1.7倍になっているそうです。

アメリカコロラド州の星空保護区では、その効果の研究が行われ、10年間に国立公園を訪れる観光客が58億ドル消費し、賃金上昇や追加雇用に貢献すると試算されています。

今後の人手不足に対して、稼げる場所としての弟子屈のアピールしうるツールにもなると考えられます。

観光という意味では、ほかの観光資源や誘客に悪影響を与えず、宿泊を増やせるというメリットがあると思います。

環境先進地域としてもアピールすることができます。

GSTC
国際持続可能観光協議会
の評価指標と、日本版の評価指標に光害対策が組み込まれています。

環境意識の高い観光客への訴求効果が期待できます。

星空保護区に登録したからといって、すべてがうまくいくとは限らない。

もともと観光地ではないところでは、宿泊施設がなく、経済効果に結びついていない。
また、公園を星空保護区登録した場合には、夜、公園までの足を確保する必要があったり、悪天候時に対応が難しいなど、うまく生かすためには相当工夫が必要になる。

せっかくの星空が失われつつある地域もある。
近隣の市街地からの光害によって、星空の質が低下している。石垣島。

以上のようなことを考えた場合、弟子屈町は、その恩恵を受けやすい条件がそろっていると言える。

前述の説明で、摩周湖の星空を改善したうえで登録しないと、十分な効果が得られない。
ことを前提にすると・・

すでに宿泊施設がたくさんあり、それらの宿のお客様が増えることで、すぐに経済効果を発揮できる。

川湯温泉街から、川湯園地まで徒歩数分で、抜群の星空を見てもらえる。
その他の宿泊施設では、玄関先で星空を楽しめる
→ 星空ガイドをするにあたって、交通機関などの心配をする必要がなく、コストがかからない。
(かつての摩周湖星紀行はここがネックとなって、中止になっている)

弟子屈市街地、川湯市街地の対策を実施すれば、光害を及ぼす大都市が至近にあるわけではないので、星空の劣化を避けやすい。(日本でトップの星空を標ぼうできる可能性が大きい)

これまでの我々の活動を簡単に紹介します。

てしかが星空愛好会を2023年6月に26名で発足。
現在は会員47名。弟子屈町以外にも、釧路市、中標津町、斜里町、別海町などから参加していただいている。

偶数月の15日を定例観察会として、実施している。

会員勧誘のためのポスター作りを、弟子屈中学校の文化部の皆さんと進めるべく準備中

会員のみなさんで時間を作って、川湯温泉再開発のワークショップなどに参加し、星空観光の考えを盛り込むことを提案している。
現状、光害を低減する方向で照明ガイドラインが作られているが、星空保護区ということについては、町全体にかかわることでもあり、進展はしていない。

てしかが町女性の集いでも、時間をいただいて、星空のお話をしました。

弟子屈で撮った星空の写真を用いて、東京のカフェ、郵便局、川湯ビジターセンターなどで写真展を実施しました。
東京府中のカフェでは、星関連のグッズを販売し、売り上げから、町の図書館に星空関係の図書を寄贈しました。


昨年度より、公民館の生涯学習講座にて、「てしかがの星空の楽しみ方講座」を開催させていただいています。
年間4~5回のペースで、毎回10~40名の参加をいただいています。
来年度も実施予定です。

星空保護区について、議員さんへの説明をしています。
短時間であったので、観光の危機感と星空保護区の有用性をうまく伝えることができていないように思います。


川湯温泉の再開発を取りまとめている、街制作(株)の渋谷社長にも説明しています。
誘客のコンテンツとして、星空を取り込もうとしていらっしゃいます。


観光協会では、星空をコンテンツにするということは、活動の目的に掲げていますが、事実上そういった活動ができる体制になっていません。
徐々に体制を改善する方向性を模索している状況です。